もの忘れ 認知症 アルツハイマー病の診断・治療

いわゆる「もの忘れ」は誰でも年をとればみられるものです。一方、病的なもの忘れは、放っておくと危険です。

院長は、全国でも数少ない認知症専門医ですので、生理的なもの忘れと病的なもの忘れの鑑別アルツハイマー病などの認知症の診断、治療および介護のアドバイスを行うことが可能です。簡単な心理検査、血液生化学検査を当院で行うとともに、頭部MRI検査、脳血流シンチ(SPECT)などを必要に応じて組み合わせることで、正確な診断が可能です。

早期発見により、病状の進行を遅らせて日常生活に支障がないよう、対策ができますので、お気軽に当院にご相談ください。

認知症について

認知症は、新しく経験したことを記憶にとどめることが困難になったり(記憶障害)、今がいつなのか、どこにいるのかがわからなくなったり(見当識障害)、計画を立てる、順序立てる、判断するなどが困難になる(判断力の低下)などの症状が見られます(中核症状)。また、その他認知症に伴ってよくみられる周辺症状として、易怒性、暴力、無気力、抑うつ、不穏、幻覚、妄想などが挙げられます。

認知症を引き起こす疾患としては以下に示すように、さまざまな疾患があります。この中で最も多い疾患が、アルツハイマー病であり、次いで脳血管性認知症(脳梗塞や脳出血などにより引き起こされる認知症)、レビー小体型認知症(変動する認知機能、パーキンソンニズム、幻覚を特徴とする認知症)が続きます。

認知症をひきおこす疾患

アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、嗜銀顆粒性認知症、脳血管性認知症、正常圧水頭症、ビタミンB12欠乏、甲状腺機能低下症、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト-ヤコブ病など。

アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)について

アルツハイマー病の症状と経過

アルツハイマー病は、発症の年齢によって、64歳までに発症する「早発性アルツハイマー病」65歳以上に発症する「晩発性アルツハイマー病」に分けられます。

アルツハイマー病は、ゆっくりと年単位で症状が進行していきます。残念ながら現在、アルツハイマー病の根本的な治療はなく、症状の進行を遅らせる薬剤しかありません。しかし、新たな治療法の開発が盛んに行われていますので、今後、画期的な新薬の登場が期待されています。

アルツハイマー病の症状と経過
MMSE : Mini-Mental State Examination

アルツハイマー病で処方するお薬について

一般名
(製品名)
ドネペジル リバスチグミン ガランタミン メマンチン
作用機序 アセチルコリン
エステラーゼ阻害
アセチルコリン
エステラーゼ
及び
ブチリルコリン
エステラーゼ
阻害
アセチルコリン
エステラーゼ阻害
及び
ニコチン性
アセチルコリン受容体
へのAPL作用
NMDA受容体
チャネル阻害
アルツハイマー型
認知症の適応性
軽度から高度 軽度及び中等度 軽度及び中等度 中等度及び高度
錠型

錠、細粒、
口腔内崩壊錠、
内用ゼリー

パッチ 錠、
口腔内崩壊錠、
内用液
投与回数 1日1回 1日1回 1日2回 1日1回
海外発売年 1997年

2007年
(カプセル

1997年)

2000年 2003年
国内発売年 1999年 2011年 2011年 2011年

薬剤によって、少しずつ作用機序や剤型が異なりますので、症状や現在の生活環境に合わせ最適な薬剤を選択していきます。

アルツハイマー病と健康な方の脳の違い

頭部のMRI画像(冠状断)です。アルツハイマー病は、健常者に比較して脳全体が萎縮しているのがわかります。とくに記憶にかかわる海馬(○印の場所です)といわれている領域で萎縮が目立ちます。アルツハイマー病と健康な方の脳の違い

東京医科大学病院老年病科 金高秀和助教よりご提供

治療が可能な認知症について

治療が可能な認知症について

東京医科大学病院老年病科 金高秀和助教よりご提供

画像二つの疾患は、治療にて改善可能な認知症として重要です。

左は慢性硬膜下血腫という疾患で、頭部CTにて左側に三日月様に血腫があることがわかります。数ヶ月前に頭部打撲の既往がある方が、頭痛、片麻痺、もの忘れにて発症することが多いです。脳外科的に血腫の除去を行います。

右は、脳の萎縮に比較して、脳室といわれる部分が拡大していることがわかります。症状として、もの忘れ、歩行障害、尿失禁を特徴とします。脳外科的に髄液シャント術といわれる脳髄液を減らす手術を行います。

検査による診断-脳血流SPECT検査(3D-SSP)

MRIやCT検査は脳の形態的な異常をみつける検査ですが、脳血流SPECT検査(3D-SSP)という脳の機能的な異常をみつけるための検査を合わせ行うことにより、より正確な診断が可能です。下記の画像では、同年代の健康な人と比較して、脳血流が少なくなっている場所を表示しています。青→黄色→赤になるにしたがい、より脳血流が低下しています。アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD)において、それぞれ脳血流の低下する部位が異りますので、その鑑別ができます。

検査による診断-脳血流SPECT検査(3D-SSP)

VSRADによる「早期アルツハイマー病」の診断

当院では、VSRADによる「早期アルツハイマー病」の診断を行っています。

VSRADによる「早期アルツハイマー病」の診断

VSRAD (Voxel-Based Specific Regional Analysis System for Alzheimer’s Disease)は、早期アルツハイマー病に特徴的にみられる海馬傍回の萎縮の程度をMRI画像から取り込むための画像処理・統計解析ソフトです。早期アルツハイマー病の診断は専門医でも難しいことが多いですが、VSRADを用いることにより海馬傍回の萎縮程度が数値化されるため、より診断の精度が向上します。